『おかしいわよ、金持ちの人がお金でなんでも手に入ると思っているのは。 あたし、そんなもの少しも欲しくない。 好きな人とならどんな汚い部屋だってかまいやしない。 気が向かなかったら、豪邸に住めっていわれたってイヤだわ。 お金なんて……、そう、お金の上でダンスしてみせるわ、つばをひっかけてみせるわ。』
- エミール・ゾラ(エミール・フランソワ・ゾラ)
- 1840/04/02-1902/09/29
- フランス・小説家
- これが名言というのは違和感大有りだ。何かの台詞なのかな。小説の一部。言葉が長いし、一面的だ。
- 作品の中の彼女はお金で手に入らないものがあると言っているが、ことはそう単純でないようだ。
- 人間の歴史はお金を発明し、お金で手に入るものをどんどん増やす歴史とも見ることが出来る。そのお金というものも札束でもなんでもない只の数値なのだ。ダンスをすることも唾を引っ掛けることも出来ない。札束、コインはお金の一つのインスタンス(表象)に過ぎない。
- お金だけでは手に入らないがお金が無いと手に入らないものは多い。
- お金は変質し、もしくは本性を現し、人間を蝕んでいるだろうとことへの恐怖、不安を感じることが出来たら、誰でもきっとこのような言葉を口にするだろう。E.ゾラの気持ちだろう。