『努力は必ず報われる』
割とよく聞く言葉。自分で口にすることもある。誰が言い始めたのか。まあ、頑張れば結果はついてくるよと言うのと同じだな。今回は、橋下氏の記事を目にしたから、少し意識してみるもの。点検みたいなものだ。
努力とは?。目的を達成するために努めること(行い)。報われるとは?。目的が達成されること。水道の蛇口をひねれば水が出る環境で、それをコップで受けて水を飲んでも努力したとは言わない。何の苦労もない行いでは努力の冠を付けてあげることは出来ない。
目標を達成するには困難が伴う行いが必要な場合に初めて努力の称号を与えられる。
努力は目標が達成さえるまで続けられるものだ。達成されて初めて努力と言いうことになる。頑張ったけど駄目でしたと言うとそれは努力が足りないで終わってしまう。まあ、これは詭弁の類なんだ。だから、「努力は必ず報われる」ことになる。
でも、
誰でも知っていることは、目標には鼻から無理なものがあるということ。自分と他人は違うということ。常識的には、幻想を持っている奴など一人もいないだろう。
しかし、
残念ながら、相当の人が、判断ミスをしている。
- 自分の能力を超えた無理な目標に向かう人。所謂、無理筋、暴走、自滅、自爆、取り違えた勇者、悲喜劇たいぷ、などなど。
- 自分の能力をほとんど使わなくて達成できるイージーウエイのひと。所謂、妥協的な人。要領のいいひと。賢い人、ずるい人、優しい人、
- 適切なレベルの努力、適切なレベルのこんな差、適切な目標。これって、誰も分からない。
教育指導的には、限界点をあまり低くしてほしくない。開花させない才能は誰にとっても残念だから。努力は必ず報われるは励まし、限界点を高めるため応援歌。
でも、安心していい。世間は良くできている。そういう励ましは卒業するまでだ。時間の概念を取り込めば、その励まし・応援歌はすべて期限付きだ。
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為政者もこの言葉が好き。都合がいいのだ。宗教者も好き。
努力しても天運を変えることは出来ない。
それを言ったら社会ステムは維持できない。不安定になる。
努力と報いには赤字もあれば黒字もある。 それは誰でも知っている。無駄な努力もあることも。
宝くじは買った人にはチャンス8運)がある。でも億円の当選は誰も想定期待していない。全財産を宝くじにそそぐ奴はいない。必ず損をする。少なく買って楽しむものだ。
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人生はどの瞬間も、実は、難しい選択を迫られている。
すすむ。もどる。とどまる。
是非は不明。
努力もまた同じ。続けるや続けないか立ち止まるか。
目標設定や方法論について是非を考えることが大事だ。始める前、終わった後、まあその努力の途中で。 適切な、レビュー、リプラン、リトライもまた努力の一環だから。
盲目的な努力を努力と考えていては駄目だ。只の馬鹿者。手をはばたかせても空は飛べない自明のことさえ見えなくなっているかも知れない。
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https://bizspa.jp/post-263048/
橋下徹氏「努力は必ず報われる、は幻想です」若手社会人が陥る罠
橋下徹 橋下徹
2020.02.06 キャリア
努力しているつもりなのに、なかなか評価されない……。それはあなたが、努力の本来の目的を見失ってしまっているからかもしれません。
名刺 名刺交換
※画像はイメージです(以下同じ)
ビジネスパーソンにとって、自分の商品価値を高めるというのは、組織に属する働き方を選ぶにしても、属さない働き方を選ぶにしても、成功するためには欠かせないことです。
今回は、「現代における努力の仕方」について新刊『異端のすすめ』(SB新書)の著者であり、元大阪府知事・大阪市長である橋下徹氏に解説してもらいます(以下、橋下氏の寄稿)。
努力そのものを目的化してはいけない
商品価値を高めるにはウリを明確に打ち出すこと。そして、そのためには圧倒的な量をこなす努力が必要です。
しかし努力そのものが自己目的化してしまうと、ウリを明確に打ち出し、自分の商品価値を高めるという本来の目的から外れていってしまう。これには注意が必要です。
努力するというプロセスも重要ですが、あくまでも一番の目的は自分の商品価値を高めること。すべての努力は、そこに向かうものでなくては意味がありません。
たとえば名刺交換などは、わかりやすい例でしょう。
学生や若手のビジネスパーソンで、しきりに「この間誰々と名刺交換した」と言いたがる人をよく見かけます。
「名刺コレクター」にならないために
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橋下徹氏
しかし、その「誰々」と名刺交換したことが自分の商品価値を高めることに活かされなければ、単なる「名刺コレクター」にすぎなくなってしまう。後から自分の名刺を見た相手が、自分の顔や言葉を思い出すくらいでなくては、名刺交換をした意味がないのです。
僕も、社会に出たばかりの頃には膨大な数の名刺を配りましたが、そこで圧倒的な量をこなしたのは、とにかく「スピードがウリの弁護士」である自分という存在を知ってもらい記憶にとどめてもらって、仕事につなげるためでした。
大量の名刺交換そのものが目的ではなかった。あくまでも自分のウリを記憶にとどめてもらう手段でした。
https://bizspa.jp/post-263048/2/
橋下徹氏「努力は必ず報われる、は幻想です」若手社会人が陥る罠
2020.02.06 キャリア
「努力は必ず報われる」は幻想である
この点、努力至上主義に陥ってしまうと、目的と手段を混同し、手段の努力をすることがいつのまにか目的になってしまいます。今やっている自分の努力は、目的を達成するためのものになっているのか、常に確認が必要です。そして目的達成に向けてズレがあるなら、修正・改善の繰り返しが必要です。
そもそも、すべての努力は必ず報われるというのも半ば幻想といわねばなりません。特に現代のように生き方の多様化が進み、ある種の天才が遺憾なく才能を発揮できるような世の中においては、努力ではどうにもならない場合もあるというのも偽らざる現実です。
努力が無駄だといっているのではありません。ただ「何でもがんばれば何とかなる」とばかりに「努力」そのものを目的に据えると、その努力がどこに向かっているのか、本当に自分の商品価値を高めるための努力なのかという視点が失われてしまう。それがために「骨折り損のくたびれ儲け」になるのはもったいないということです。
努力の対象をスパッと変える勇気も必要
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もし、自分で圧倒的と思えるほどに努力しても手応えがないのであれば、それは努力している対象そのものが自分には向いていないということかもしれません。
ならば努力の対象をスパッと変えて、新しいことでまた圧倒的な量をこなせば、ウリが明確になり、自分の商品価値が高まることにつながるかもしれない。行動することによって、チャンスを得ることができるのです。
今の日本社会においては、選択肢はたくさんある。一つの道にとらわれる必要はありません。自分の歩むべき道をどんどん変えて、自分が一番ハマるものを見つけていけばいい。どうせ相撲を取るならば自分が勝てる土俵で相撲を取ろう、この土俵は違うなと感じたら別の土俵を探そう、ということです。
現代は、どんな努力によって突き抜けるかわからない時代です。どんなことでもウリになる可能性がある時代、戦える土俵は無限にある時代だと考えて、自分に相応土俵、すなわち努力の対象を見つけていってください。
<TEXT/橋下徹>
橋下徹 橋下徹
1969年東京都生まれ。2008年、38歳で大阪府知事、2011年に大阪市長に就任。実現不可能と言われた大阪都構想住民投票の実施や、行政組織・財政改革などを行う。2015年、大阪市長を任期満了で退任。現在はTV番組出演や講演、執筆活動など、多方面で活動している。
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