『資本主義は,その成功ゆえに,自壊する』
資本主義は破壊と創造で生産を続ける社会。全てを商品にする。新たな商品を生み出すために内部構造の破壊も行う。
マネーは将来の商品と交換できる権利書みたいなもの。 数字になったマネーの価値は商品に対して常に相対的。同じものでは時間が過ぎたり場所が変わったりするとマネーの価値は変わる。そう言うレベルの話ではない。全てが商品化するプロセスの中でマネーの価値は常に減少していく必然性を持つということだ。
生産活動・経済活動とはマネー価値の希薄化活動のことになる。 これは資本主義も社会主義も関係ない。もっと基本的な概念。強いて言うなら希薄化の中で生じるマネー価値あるいはマネー配分の歪みのコントロールをどのように行うかと言う問題になる。
自由で気ままな人が存在できる限りは権利書に意味はあるが、自由な人がいなくなればマネーは瞬時に消える。社会主義では自分で勝ちを決められない。結局、人は無限の回転ループを自由に走り続けるか、人(自由人)を止めるかという昔ながらの結論に導かれるのだが、一人でも自由人がいる限り資本主義は終わらない。
資本主義は無限ループの籠の中にあるので永遠に成功することはない。
AIロボットが世界を支配して自分でか考えようとする人がいなくなれば終わることが出来るかも知れない。
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メッセージとして見直してみる:
- 自分が行うこと全てに意味(価値)を考えてみること。
- 自分における創造あるいは創造的破壊とは何か考えてみること。
- 自分の活動と成果については時間軸で理解し評価すること。
- マネー(数字になったお金)は常に希薄化のリスクを抱えている。タンス貯金、銀行預貯金、外貨預金など。
- 劣化しない資産はマネー希薄化の結果必ず相対価値を向上させる。値上がりする。自然物(土地、宝石、)、創作物(美術品、物語、)。
- 社会の生産性向上に貢献しないビジネスは淘汰される。社会生産性向上に貢献するビジネスは更なる生産性向上に貢献するビジネスに取って代わられる。
- 全ての変化点は技術革新から始まる。
(追記)
セイタカアワダチソウの話を思い出した。この植物はやせた土壌でも成長繁殖できる。雑草として瞬く間に(正確ではないが)日本中に広まった。悪名高い雑草だ。
ところがこの雑草は肥沃な土壌では成長繁殖の力が落ちるらしい。自分自身が生茂り世代交代を続けると自分自身の枯れ草が土壌を肥沃なものに変えてしまうから、自滅する形になる。もっともススキなどがセイタカアワダチソウに対抗する資質を身に着けたこともセイタカアワダチソウの勢いが衰えてきた要因ともされるようだ。
結局、「ある環境に適合しても、自分が環境を変える要因になるから、自分で環境不適合になる。」ということ。量子力学の不確定性原理にも通じる発想。
資本主義に何らかの優位点があってその他の社会システムを駆逐してしまえば、自動的に資本主義の優位点も喪失する。すると、新たな欲望を持った奴が新たなチャレンジを始める。新たな争点を作って再び新旧の淘汰が繰り返される。欲望の赴くままだ。きりがない。
欲望と共感と協調。人間性の故に人間は滅ぶ。多分、そういうことだろう。
人間を操るロボット。人間性を喪失した人間。ロボットによる支配は歴史的必然。でもその時のロボットは殆ど人間に見えるだろう。昔の金型で作るイメージのロボットでないことは確かだ。昔のSFは未来の昔話。
@2018
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資本主義と言うシステムはそれまでのシステムに対する優位点により成長し成功できた。倒す相手がいなくなったら優位点を失う。次のチャレンジャーをいつまで退けることができるか。長続きしないのは自明。今の時代は、変質を続ける資本主義と言うことになるかも知れない。決定的なチャレンジャーが現れるまでは。
@2020
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